マクロミルのクラウド利用を推進するCCoEとは?

はじめまして、マクロミルGlobal IT本部の岡澤と申します。
タイトルにある「CCoE」という言葉、最近よく見かけるようになったという方も多いと思います。
今回の記事ではこのCCoEをテーマにお話したいと思います。

CCoEとは

CcoE(Cloud Center of Excellence)とはなにか、一言で言えば「企業や組織のクラウド利用を推進するチーム」であると思います。企業や組織によって規模やクラウド利用の段階、CCoEに期待されることは異なるので必然的にその役割や解釈も異なってくると思いますが、次に挙げるポイントは共通するのではないでしょうか。

・ クラウド利用を推進するために集められたチーム
・ ベストプラクティスを展開し、定着させるためのトレーニングを提供する
・ クラウド利用に適したマインドセットへの変化を促す
・ フレームワークやツール、コードを共有、提供する
・ セキュリティのガバナンスやマネジメントの仕組みを整え制度化する

マクロミルのCCoEの成り立ち

マクロミルでは2014年くらいからAWSの利用を本格的に開始しました。オンプレミス中心だった社内のシステムは、現在ではほぼすべてAWSへ移行されています。
AWSを7年以上利用する中で、ノウハウは確実に社内に蓄積されてきました。しかし、それは「各システムを担当するチーム」ごとであり、全体の形式知にはなっていませんでした。そのため、例えば従来のWeb3層構造のシステムを担当するチームと、クラウドネイティブな構造設計でサーバーレス系サービスやマネージドサービスを多用しているシステムを担当するチームでは「AWSを上手く使う」という点で、業務上で得られる経験やノウハウの蓄積に差が生まれてしまう状況が続いていました。

AWSは拡張や進化のスピードがとても速いサービスです。クラウドならではの考え方や上手い使い方を理解しているかどうかは設計や構築、運用、保守、コスト、品質といったすべての点に影響を及ぼします。そこで、相談窓口や基準、ルール作り、ノウハウの展開といった取り組みを行うためにGlobal IT本部内のAWS知識・技能が先行している担当者を集めてCCoEを組織することにしました。2020年からスモールスタートし、2021年秋から本格的に活動を開始しています。

活動方針・内容

マクロミルのCCoEの活動方針は次のとおりです。
・AWSの『Well-Architected』を活動の指針とする
・『Well-Architected』の「オペレーショナルエクセレンス」「セキュリティ」「信頼性」「パフォーマンス効率」「コスト最適化」の5分野に「トレーニング」を加えた計6分野を担当するサブチームを置き、活動する

サブチーム毎に、または連携しながら下記を範囲として活動しています。

AWS利用に関する支援

  • アーキテクチャ設計の支援やレビュー
  • コスト最適化の取り組みに関する支援
  • その他AWS利用に関する相談

社内ガイドライン整備

  • AWSクラウドの利用するうえでの基本的な考え方、マインド
  • ベストプラクティスに準じたガイドライン
  • テンプレート提供(ガイドラインで定義したものをCloudFormationテンプレートで提供する)

スキルアップ支援

  • トレーニングロードマップの作成
  • 勉強会運営
  • 最新情報の収集と展開

マクロミルのCCoEが掲げる目標

CCoE活動として以下の目標を掲げています。

  • 各プロジェクトにベストプラクティスが適切に適用されている状態になること
  • 各プロジェクトがAWS利用に関して自走している状態になること

社内のすべてのエンジニアがAWSを使いこなし、各システムやチームが自走状態になること。この状態まで到達できればCCoEの存在意義はほぼ無くなります。

最終的なゴールは「CCoEの解散」です。

おわりに

今回はマクロミルのCCoEの成り立ちと活動内容についてお話しました。社内でCCoEの立ち上げを検討されている方のご参考になればと思います。

次回以降はCCoE活動についてより具体的にご紹介する予定です。